アバフェルディはボディが厚く、シルクのように滑らかなテクスチャーとナッツやバニラクリームの風味が特徴的なシングルモルトです。決してメジャーな蒸留所だとは言い難いのですが、その実力は決して侮れません。際立った個性はないもののシングルモルトとしての完成度は高くいと思われます。原酒はブレンデッドウイスキーのデュワーズやブラック&ホワイトにも使われていて、特にデュワーズにはアバフェルディのキャラクターが色濃く表れています。
デュワーズといえば、1891年にスコットランド生まれの鉄鋼王アンドリュー・カーネギーが、時のアメリカ大統領ベンジャミン・ハリソンに樽入りのデュワーズをプレゼントした逸話が有名です。このニュースは全米中で話題となり、このとき以来アメリカの多くの場面でスコッチといえばディワーズと言われるようになりました。
アバフェルディ蒸留所は、ハイランド地方のほぼど真ん中、リゾート地としても知られるアバフェルディ村のはずれにあります。この村は、『ハリー・ポッター』の作者であるJ・K・ローリングさんの別荘があることでも知られています。近くにはピティリー川が流れ、仕込み水としてこの川の水が利用されています。
蒸留所は1896年に、ジョン・デュワーズ&サンズ社によって建てられました。